ここまでコケにされたのだから、そろそろ反撃しても許されますわよね?
「くだらなくないわ! ライラは我慢して日陰者になってあげてるんじゃない! 欲しいもの全部買ってもらって何が悪いって言うのよ!」
「あなたが好きで日陰者になったのでしょう? ポールへの愛とやらのためにね」

 絶句したライラが、言葉にならない何かを言いかける。
 さすがに我慢の限界がきて、アンドレアはライラを冷たく睨みつけた。

「聞こえなかったの? 今すぐ出て行きなさい」

 分が悪いと思ったのか、ライラは若干たじろいだ。
 かと思えば、顔を真っ赤にして子供のように地団駄を踏みだした。

「なによ、なによ、なによ! ライラのこと馬鹿にしてっ。今に見てなさい! 絶対に後悔させてやるんだから!」

 来た時と同じように、ライラは乱暴に部屋を飛び出して行く。

(まるで悪役の台詞ね……)

 その場にいた誰もが思ったことを、アンドレアは胸中で呟いた。
 少しやり過ぎたかと後悔するも、胸がすいたのも確かだった。
 ライラの嫌がらせはどれも子供じみている。愛され自慢をされたとして、鬱陶しいと思う程度のことだ。

 このときはアンドレアも、ライラの捨て台詞をあまり気にはしていなかった。
 それがすぐに後悔に変わるとは、夢にも思わないアンドレアだった。
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