逃亡した帝国の公女は2人の王子に溺愛される。
レイモンドが子供の私を繋ぎ止めようと必死なのは、私の魅了の力を過剰評価しているからだ。
「エレノア、私はあなたを利用したくて一緒にいたがっているのではありませんよ。そこだけは誤解しないでください。あと私の何が不快かも遠慮なく言って頂いて大丈夫です。あなたにとって魅了の力は嬉しいものではなく、持ちたくなかった能力だということも理解しています」
私は自分が魅了の力を持ったことで悩んでいたことを、言い当てられて思わず泣きそうになったのを堪えた。
魅了の力を持つことの悩みなどに共感してくれる人間など現れないと思っていたからだ。
「エレノアは決して涙は見せてくれないのですね。涙は女の武器だと思うのですが⋯⋯」
レイモンドが私の頬に触れようとして、その手を引っ込めた。
私が彼に触れられるのが不快だと言ったからだろう。
「帝国貴族は決して人前で涙を見せてはいけないと教えられています。それに泣いて相手を困らせて気を引くのは、安い女のすることです。そんなことで人の気持ちを得ることは絶対にしたくありません」
私は野良猫だけれど、帝国貴族の価値観を持った野良猫なのだ。
「エレノア、私はあなたを利用したくて一緒にいたがっているのではありませんよ。そこだけは誤解しないでください。あと私の何が不快かも遠慮なく言って頂いて大丈夫です。あなたにとって魅了の力は嬉しいものではなく、持ちたくなかった能力だということも理解しています」
私は自分が魅了の力を持ったことで悩んでいたことを、言い当てられて思わず泣きそうになったのを堪えた。
魅了の力を持つことの悩みなどに共感してくれる人間など現れないと思っていたからだ。
「エレノアは決して涙は見せてくれないのですね。涙は女の武器だと思うのですが⋯⋯」
レイモンドが私の頬に触れようとして、その手を引っ込めた。
私が彼に触れられるのが不快だと言ったからだろう。
「帝国貴族は決して人前で涙を見せてはいけないと教えられています。それに泣いて相手を困らせて気を引くのは、安い女のすることです。そんなことで人の気持ちを得ることは絶対にしたくありません」
私は野良猫だけれど、帝国貴族の価値観を持った野良猫なのだ。