宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
「そんな……どうして」
「驚かれるのも無理はありません。あのような場所であのようなことをする王女など、前代未聞のことでございますから」
「ハインリヒの相手を探すためと言ったでしょう? 結局は役には立たなかったけれど」
くすくすと笑いながらクリスティーナは再びソファへと身を沈めた。リーゼロッテも座るようにと促される。
「急に連れてこられてたいへんだったわね。いつどんな神託が降りるかは、わたくしにも予測はつかないから」
「あの……王女殿下、なぜわたくしはここに呼ばれたのでしょうか? 神官長様からは新たな託宣が降りたとしか聞かされておりません」
神託だから東宮に住めと言われても、はいそうですかと納得できるはずもない。聞くべきことはきちんと聞かなくては。王女を前に委縮しそうになるのをなんとか堪えて、リーゼロッテはしっかりと顔を上げた。
「あなたに身の危険が迫っているからこの東宮で保護をしろ。神託の内容はそんなところね」
「え?」
「神託はシネヴァの森にいる巫女に降ろされる。それを受け取り、神殿に伝えるのがわたくしの役目よ」
シネヴァの森は北の最果てにある。昔から魔女が住むと言われる場所だ。不安げなリーゼロッテの顔を見て、クリスティーナは菫色の瞳をやさしげに細めた。
「大丈夫よ、ここは青龍の加護が厚いから、異形の者は入り込めないわ。それとも公爵がそばにいないのが不安なのかしら?」
いたずらな笑みを残しクリスティーナは立ち上がる。そのまま窓に近づき、外へと視線を向けた。そこには遠く見下ろす王都の街並みが広がっている。そのさらに奥に、高くそびえたつ王城がぼんやりと目に映った。
「驚かれるのも無理はありません。あのような場所であのようなことをする王女など、前代未聞のことでございますから」
「ハインリヒの相手を探すためと言ったでしょう? 結局は役には立たなかったけれど」
くすくすと笑いながらクリスティーナは再びソファへと身を沈めた。リーゼロッテも座るようにと促される。
「急に連れてこられてたいへんだったわね。いつどんな神託が降りるかは、わたくしにも予測はつかないから」
「あの……王女殿下、なぜわたくしはここに呼ばれたのでしょうか? 神官長様からは新たな託宣が降りたとしか聞かされておりません」
神託だから東宮に住めと言われても、はいそうですかと納得できるはずもない。聞くべきことはきちんと聞かなくては。王女を前に委縮しそうになるのをなんとか堪えて、リーゼロッテはしっかりと顔を上げた。
「あなたに身の危険が迫っているからこの東宮で保護をしろ。神託の内容はそんなところね」
「え?」
「神託はシネヴァの森にいる巫女に降ろされる。それを受け取り、神殿に伝えるのがわたくしの役目よ」
シネヴァの森は北の最果てにある。昔から魔女が住むと言われる場所だ。不安げなリーゼロッテの顔を見て、クリスティーナは菫色の瞳をやさしげに細めた。
「大丈夫よ、ここは青龍の加護が厚いから、異形の者は入り込めないわ。それとも公爵がそばにいないのが不安なのかしら?」
いたずらな笑みを残しクリスティーナは立ち上がる。そのまま窓に近づき、外へと視線を向けた。そこには遠く見下ろす王都の街並みが広がっている。そのさらに奥に、高くそびえたつ王城がぼんやりと目に映った。