可愛い後輩くんは、スポーツ系御曹司でした ~秘密のギャップで溺愛されています~

第5話:ナイトプールパーティー

 とうとう、ナイトプールパーティーの日になった。

 蓮見(はすみ)くんとのレッスンのおかげで、だいぶ水への恐怖心は軽減(けいげん)された。
 だが、結局水に顔をつけることはできなかった。

 ビート板につかまって、ちゃぷちゃぷ泳ぐようになれたのは()めてほしい。
 私の微々(びび)たる進捗(しんちょく)に、蓮見くんは笑っていた。

「本当に水が怖いんですね」
「大人なのにみっともないって思ってるんでしょ」

「そんなことないですよ。完璧な先輩にも弱点があったんだなあ、って思っただけです」
「やっぱり馬鹿にしてる!」

 そんな(ふう)に気軽に軽口(かるくち)を叩けるようになった。
 弱点を知られて、彼の前では肩肘(かたひじ)を張らなくてよかったからだろうか。

(ううん、相手が蓮見くんだからだわ)

 蓮見くんが自分の弱点を面白おかしく人に吹聴(ふいちょう)する人間ではないと信じているから、気楽に振る舞えるのだろう。

 これが他の人だったらと思うとゾッとする。
 つまらないプライドかもしれないが、他の人から下に見られるような事態は()けたかった。
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