継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします
少年は十歳くらいかしら。
くりくりとしたつぶらな瞳は濃紺で、その虹彩には金砂を散らばしたような、美しい魔力の星が見られる。まるでラピスラズリのように美しい瞳は、お母様にそっくりだわ。
離れていく後ろ姿で揺れたさらさらの赤毛に、私は釘付けとなった。
幼いセドリックの姿が重なる。
「……セドリック?」
小さく呼ぶと、少年は振り返ってにこりと笑う。
お母様が亡くなってから、手紙でしかやり取りが出来ず、一度も会えなかったけど、私には分かる。彼が愛しい弟セドリックだと。
「セドリック!」
はしたないと言われても良い。お行儀なんて知らない。
ブランケットを跳ね除け、素足のまま飛び出した私は少年に手を伸ばした。
腕の中に引き寄せた身体は、私より少し背丈が低いけど、離れ離れになった時よりもうんと大きくなっていた。背中に回された手も、あんなに柔らかかった小さな手と違い、しっかりしている。
くりくりとしたつぶらな瞳は濃紺で、その虹彩には金砂を散らばしたような、美しい魔力の星が見られる。まるでラピスラズリのように美しい瞳は、お母様にそっくりだわ。
離れていく後ろ姿で揺れたさらさらの赤毛に、私は釘付けとなった。
幼いセドリックの姿が重なる。
「……セドリック?」
小さく呼ぶと、少年は振り返ってにこりと笑う。
お母様が亡くなってから、手紙でしかやり取りが出来ず、一度も会えなかったけど、私には分かる。彼が愛しい弟セドリックだと。
「セドリック!」
はしたないと言われても良い。お行儀なんて知らない。
ブランケットを跳ね除け、素足のまま飛び出した私は少年に手を伸ばした。
腕の中に引き寄せた身体は、私より少し背丈が低いけど、離れ離れになった時よりもうんと大きくなっていた。背中に回された手も、あんなに柔らかかった小さな手と違い、しっかりしている。