継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします
「ミーナ姉様、急に動くのは危ないですよ」
「セドリック……セドリックなのでしょ!?」
「はい。やっと、会うことが出来ましたね」

 顔を上げると、可愛らしく微笑んだセドリックが私の髪に触れて撫でてくれた。

 これは夢じゃないわよね。
 セドリックが目の前にいるということは、ケリーアデルを捕らえることが出来たのよね?

「夢じゃないわよね?」

 微笑んで頷くセドリックの顔が涙でにじんだ。
 今まで頑張ってきたことが全て報われたように感じ、胸の奥に熱いものが込み上げてくる。

 再び、セドリックを強く抱きしめようとすると、「お嬢様」と淡々とした声が降ってきた。

「……ダリア」
「感動のご対面はよろしいのですが、ヴィンセント様がおいでです」
「えっ……?」

 視線をずらすと、少し困った顔をしたヴィンセント様がそこにいらっしゃった。
 慌ててセドリックから離れた私は、寝間着姿であることを思い出し、羞恥心に全身が熱くなった。
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