継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします
「大丈夫だ。私が全て教える」

 初恋の人にそんなこと言われたら、口をパクパクさせるしかないじゃない。

「……頑張り、ます」

 それにしても、私の記憶を映し出す能力を貸して欲しいって、何をするのかしら。
 私の記憶なんて、たいしてお役に立つとは思えないのに。そもそも、魔術師団のお手伝いだけなら、魔術師の資格を取る必要もないような気がするわ。
 ヴィンセント様は何をお考えなのかしら。

 疑問が次々に湧いてきたけど、こうして私の新婚生活──猛勉強の日々が始まることとなった。

 この時は不安と疑問ばかりだったけど、私の心をヴィンセント様にかき乱される日々が訪れるだなんて微塵も想像しなかった。
< 206 / 207 >

この作品をシェア

pagetop