6月25日、彼は。
「先生、具合が悪いので保健室に行っても良いですか?」

突然の申し出に先生は戸惑いながらも、「ええ」と答えてくれる。

そのまま「誰か付き添って……」と続けようとした先生の言葉を(さえぎ)る。

「一人で行けるので大丈夫です」

私は教室から逃げるように飛び出した。

私の背筋の伸びた挙手に笑い転げている丹野 珀人を睨みながら。

「あははは! やっばい、伶菜おもろ過ぎる。笑い死ぬ」

教室から出ていく私を勝手に追いかけてくる丹野 珀人。

この世に幽霊なんていないと思っていた。

でも、目の前に見えているものを信じないことは出来ない。

というか、丹野 珀人はまだ生きているのだから幽霊と言えるのだろうか?
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