6月25日、彼は。
「あの、丹野くん」

「ストップ。それだと教室の俺と区別つかないから、俺のことは珀人って呼んで。俺も伶菜って呼ぶし」

「じゃあ珀人。まずちゃんと説明して。意味が分からないから」

「その割には落ち着いてね?」

それは……私が丹野くんに片想いしているからだろう。

いつか告白したいと思っていたし、未来で付き合っていると言われれば嬉しい。

私が自殺するとか意味の分からないことは置いておいて。そのことに目の前の珀人も気付いたようだった。

「あー、伶菜は俺のことが好きだもんな」

「勘違いしないで。私が好きなのは教室にいる丹野くん! 静かで勤勉で、優しい丹野くん。こんな煩くて上品さのカケラもない貴方は丹野くんもどきだから!」

「さっき珀人って呼んでくれたじゃん」

「丹野くんと別って意味で了承したの!」

「あいつも珀人なのに!?」

こんな意味の分からない会話をしたかった訳じゃない。
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