ふたりだけの夜
「あの⋯⋯見ないで」
「え?」
「泣き腫らして、あまりにも酷い顔してるから」
「なんだ。別にそんなの⋯⋯」
「えいっ!」
思わず、尚のメガネを外した。
「あっ、こら!返せよ」
「これで、ハッキリ顔が見えないだろうから」
「あのなぁ⋯⋯返せってば!」
尚は私のことをくすぐってきた。
「ひゃっ!やだ、くすぐったいってば!」
「だったら返しなさい」
「わかりました!でも、顔は見ないで」
「ハイハイ。俺だって、うっすら無精ひげが生えてるし、お互い様だろ?」
そう言われてみると、確かにいつも見る顔とは印象が違う。
二人でテーブルに戻り、黙々と朝食を食べる。
「美味しい⋯⋯」
「そりゃよかった」
何だか気まずくて、テーブルの上のラジオをつけた。
ラジオから流れてくる「子ども科学電話相談」が、何だか酷く場違いな感じがするものの、気まずさを誤魔化すには丁度いいような気もする。
「え?」
「泣き腫らして、あまりにも酷い顔してるから」
「なんだ。別にそんなの⋯⋯」
「えいっ!」
思わず、尚のメガネを外した。
「あっ、こら!返せよ」
「これで、ハッキリ顔が見えないだろうから」
「あのなぁ⋯⋯返せってば!」
尚は私のことをくすぐってきた。
「ひゃっ!やだ、くすぐったいってば!」
「だったら返しなさい」
「わかりました!でも、顔は見ないで」
「ハイハイ。俺だって、うっすら無精ひげが生えてるし、お互い様だろ?」
そう言われてみると、確かにいつも見る顔とは印象が違う。
二人でテーブルに戻り、黙々と朝食を食べる。
「美味しい⋯⋯」
「そりゃよかった」
何だか気まずくて、テーブルの上のラジオをつけた。
ラジオから流れてくる「子ども科学電話相談」が、何だか酷く場違いな感じがするものの、気まずさを誤魔化すには丁度いいような気もする。