これは形だけの結婚ですので!~剛腕パイロットは初恋のカタブツ妻を容赦なく溺愛する~【愛され最強ヒロインシリーズ】
しばらく黙り込んでいると、顔を覗き込まれてしまった。


「幼なじみだから放っておけない」


彼は同僚より近く感じる〝幼なじみ〟という言葉に変えてきた。

心が揺れ動いたものの、巻き込んでいいのかという迷いがあり、どうしてもうなずけない。


「いつも王子じゃなくていいんだぞ、たまには姫、やりたいだろ?」


姫、か……。
優しくエスコートしてもらえて、守ってもらえる。

そんな存在にあこがれはある。

高校の文化祭だって、たまにはキスで目覚めるお姫さま役をやりたかった。


「……スケジュール、送ってください」


私は素直に首(こうべ)を垂れた。
すると風間さんはうれしそうに微笑む。


「お守りします、姫」
「は、はいっ?」


慣れていない台詞(せりふ)を言われ、動揺で声が裏返ってしまう。

たちまち心臓がドクドクと大きな音を立て始め、落ち着きがなくなる。

牛丼屋で頬を赤らめている私って……きっとはたから見たら滑稽だ。


「それじゃあ今日は帰るか。明日のフライトも頼むな」
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