婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!
「今回はせっかくロゼッタ嬢と一緒に隣国に来れたというのに、あまり交流が深められなくて残念だよ」
「まあ、そんなふうに思っていただけますの?」
「もちろん」
あまりの嬉しさに、ロゼッタは瞳を輝かせる。
もしもクローヴィスの妨害がなければ、ふたりはもっと長い時間一緒にいられたし、交流を深められただろう。そう思うと、少しだけ――いや、かなり残念だ。
「けれど、トゥバルト様は帰国が待ち遠しいのではございませんか? お嬢様と……フローリア様にお会いになりたいのでは?」
「……! わかるかい?」
「ええ」
隣国に来てからというもの、トゥバルトは暇さえあれば小さな手帳を取り出して、優しい表情で中を覗き込んでいた。雰囲気から、おそらく娘の姿絵が収められているだろうと予想していたのだが、どうやら当たっていたらしい。