婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!
「もしもロゼッタがそういう決断をしたら、意思を尊重するようにって」

「そんな……」


 まさかクローヴィスがそんなことを言うとは思っておらず、ロゼッタは絶句してしまう。セリーナはしばらく逡巡してから、ロゼッタの方に向き直った。


「ロゼッタ、お兄様に会いに行ってあげてくれる? あなたの口から直接聞きたいと思うの。きっと悲しむだろうけど、それでも」



 ロゼッタはすぐにクローヴィスのもとへと向かった。
 道すがら、ロゼッタは自分からクローヴィスに会いに行ったことがほとんどなかったことに気づく。


(クローヴィス殿下はいつも、わたくしに会いに来てくださっていたんだわ)


 文官に取り次いでもらい、ロゼッタはクローヴィスの執務室へと入った。人払いをしているらしく、中にはクローヴィスしかいなかった。


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