一夜限りの契約妻──冷徹御曹司の独占愛は甘すぎて逃げられない
聖さんの腕が私の肩を包み込んだまま、低く囁いた。

「怖いなら……帰っていいんだぞ。」

その一言に、胸がぎゅっと締め付けられる。

優しい声なのに、帰れと言われた途端、足がすくんでしまった。

帰りたい? ──いいえ。

怖くないと言えば嘘になる。

けれど、それ以上にこの人の側にいたい。

気づけば体が震えていた。唇を噛みしめ、視線を上げる。

「……帰りたくない。」

聖さんの瞳が驚いたように細められる。

「私も……抱かれたい。」

震える声でそう告げると、こらえきれずに彼の胸にしがみついた。

スーツ越しに感じる熱が、心臓の鼓動をさらに早くする。

「真帆……」

低く名前を呼ばれる。

その響きに、全身が甘く痺れた。

強く抱きしめ返される。

耳元で落ちる吐息が熱くて、体中が火照っていく。

契約でも、義務でもない。これは私自身の意思。

この夜が、きっとすべてを変える。
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