一夜限りの契約妻──冷徹御曹司の独占愛は甘すぎて逃げられない
一時間ほど経ったころ、スマホが震えた。

画面を覗くと、聖さんからの新しいメッセージ。

《ダメだったかな》

短い一文。だが、その残念そうな響きに、胸がちくりと痛む。

《君しか返信をくれた人はいないんだ》

続けざまに届いた言葉に、私はスマホを握りしめる。

「……うーん」

思わず声が漏れる。

本当に、体目的かもしれない。

けれど、もしそうなら帰ればいいだけ。

強引に襲われるようなことがあれば、すぐ逃げればいい。

悩んだ末、私は指を動かした。

《会うだけでもいいですか?》

しばらくして、すぐに返信が届く。

《話だけ聞いてもらえれば》

その一文を見つめながら、胸の奥で何かが決まる音がした。

「……わかりました。会います」

私は会う決意を固めた。すぐに返事が届く。

《明日、ホテルのラウンジで》

表示された場所を見て、心臓が跳ねた。

ホテルのラウンジ──やっぱり普通の相手じゃない。

画面の文字をじっと見つめながら、私は唇を噛みしめた。
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