Semisweet.
「てか、大丈夫だって。人の噂も何とやら。」

「本当、あんたの適当な所今だけはちょっと助かる。」

 
 定期的に的確な事を言うのに、普段は結構適当で私はそんな楽なスタイルを気に入っていた。

 同期は今は私達2人しか居ないのもあって仲が良い。

 私達は結構大きめのホテルに勤務していて、会場を多く貸し出したりしていれば、ブライダルも行っている。

 会場を企業に売り出して営業しているのが瑞野、私は学校への修学旅行向けに売り出す担当。

 入社当時は結構居た同期も、結婚を機に辞めたり、世間と休みが合わないのはちょっと…などの理由で退職していった。

 きっと元婚約者が私に家庭に入ってほしいって言った理由もこれが原因なんじゃないかと思う。

 彼が休みの時に私は繁忙期が来て中々休めない。営業担当と言っても人手が足りなければ、レストランの受付に回ったりフロントにまわったり、案内にまわったり、電話対応に追われたり、バタバタしてその忙しさを全員が知っているから休みたいなんて甘えた事を言える環境では無かった。


「…休み明け、ちゃんと報告する。」

「そ、次いつ出てくんだっけ?」

「月曜は休みだから、火曜日。」

「ちょうど俺も居るわ。早でフロントから始まりだし、慰めてやろうか。」

「仕事しなさいね。」


 そう言って笑いながら遠回しに瑞野からの提案を断った。

 きっとメンタルはボロボロだけど、好きでようやく働けた職場でやめなくて済んだと思えば…。その為にわざわざホテル学科がある専門学校を選んだわけだし。

 それでも、私なりに合わない休みを何とか合わせようと頑張っていたけど、全てを否定された気がしてやりきれなかった。
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