Semisweet.
「で、話って?」


 約束して、その帰りに入った居酒屋で私達はいつも通り隣り合わせ、カウンター席で酒を飲み交わしている。

 この関係も中々変わらないままだ。


「私の元カレ、なんですけど。」

「うん。」

「結婚を知って会社に激怒しながら乗り込んできたようでして。」

「結婚って…、SNS繋がってたの?」

「SNS繋がっていた知人から知れ渡ってしまった様でして。」

「なるほど。」


 もう説明はこれ以下でもこれ以上でも無いのだけど。

 警察に相談するべきか、まずは上司に説明するべきか。
 出来ればあまり大事にはしたくない。

 自然と事態が収束するとも思えないし、何か対策しないといけない様な気がした。


「会いに行く?今度こそ2人で。夫として”元カレ”さんにもご挨拶しておきたいですし?」


 夫が元カレに挨拶ってどんな状況だ。そんな状況普通無い。

 それに、やけに元カレに言葉の力が入っていた様な気がする。

 瑞野は瑞野で元々殴りたいと発言をしていたから会わせるのも不安だ。


「もし、俺が居る間に次来たら俺呼ぶ様に。いなかったら支配人とか部長でも誰でも良いから上に相談して。1人で会わない様に。」

「…分かった。」

「それよりも俺から不満があるのですが、このタイミングで議論よろしいですか?」

「きょ、許可します。」


 そんな仕事の様な会話をして改まると、瑞野は少し不服そうな顔をしている。
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