双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
姉は自分の欲しいものを手に入れるパートナーとして、彼を選んだということだ。
 彼はきっと私と姉の関係を知っている。
 姉が私をここで始末するように伝えているか、捕獲して利用するように指示しているかは分からない。

「ルイス・パレーシア! セルシオ・カルパシーノの首だ! 私はアリアドネの影! カリンだ!」

「ピンクゴールドのウェーブ髪に琥珀色の瞳……似ているようで、本当に似ていないな。お前⋯⋯僕が他の愚かな男のようにアリアドネに惑わされていると勘違いしているな。不愉快だ」

 そういうとパレーシア帝国のルイス皇子は私に口づけをしてきた。
 私は手に抱えたセルシオの首が落ちないよう必死に腕に力を込めた。




 


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