双子の悪女の身代わり〜実は私が創世の聖女です〜
「余が、何の警戒もせずお茶を飲むとても思っているのか? アリアドネ、お前がとても危険な女だと分かっている。その上で、お前を受け入れた余に毒でも盛るつもりか?」
予想通り警戒されていた。
「陛下は何もかも手にいれる立場にあるのに、勿体無い人生をお過ごしですのね。味わったことのないような快楽をくれますのよ。彼も私と同じように陛下に愛されたいようです。どうか、陛下のご慈悲を与えてあげてくださいな」
私が事前に指示した通り、ケントリンがお茶を口に含んでエウレパ国王に口移しで飲ませた。
「はぁ、本当に何だか天国にいるようだな⋯⋯」
エウレパ国王については思惑通りになったが、私はケントリンが心配になった。
ラリーゼル草は、シャリレーン王国でも最も危険とされる毒草だ。
一度その成分が少しでも体内に入ると、2度と抜け出せない幻覚の世界に誘われる。
ケントリンにはサイドテーブルに置いた水で口をゆすいで、ゆすいだ水はそのまま床にでも吐くように伝えていた。
それなのに、彼はどこかボーッとしていて水に手を出さない。
私は咄嗟に自分が水を口に含み、彼の口に注いだ。
そのまま、彼の頭を思いっきり掴んで振って水を吐き出させた。
「ケントリン、私を見て、私は誰?」
「アリアドネ・シャリレーン王女殿下です⋯⋯」
私は心よりほっとして、彼を強く抱きしめた。
自分が恐怖から逃げる為に、ずっと私に寄り添ってくれた彼を利用してしまった。私は本当に聖女とは程遠い存在だ。
ラリーゼル草の効き目で、エウレパ国王は意識混濁状態に陥った。
「はぁ、アリアドネ⋯⋯お茶をくれないか、アリアドネ⋯⋯」
彼は蛇のように私の寝室を這いつくばりながら、私にお茶を欲しいと乞うている。水も与えられず、喉がカラカラといった状況なのだろうか。
予想通り警戒されていた。
「陛下は何もかも手にいれる立場にあるのに、勿体無い人生をお過ごしですのね。味わったことのないような快楽をくれますのよ。彼も私と同じように陛下に愛されたいようです。どうか、陛下のご慈悲を与えてあげてくださいな」
私が事前に指示した通り、ケントリンがお茶を口に含んでエウレパ国王に口移しで飲ませた。
「はぁ、本当に何だか天国にいるようだな⋯⋯」
エウレパ国王については思惑通りになったが、私はケントリンが心配になった。
ラリーゼル草は、シャリレーン王国でも最も危険とされる毒草だ。
一度その成分が少しでも体内に入ると、2度と抜け出せない幻覚の世界に誘われる。
ケントリンにはサイドテーブルに置いた水で口をゆすいで、ゆすいだ水はそのまま床にでも吐くように伝えていた。
それなのに、彼はどこかボーッとしていて水に手を出さない。
私は咄嗟に自分が水を口に含み、彼の口に注いだ。
そのまま、彼の頭を思いっきり掴んで振って水を吐き出させた。
「ケントリン、私を見て、私は誰?」
「アリアドネ・シャリレーン王女殿下です⋯⋯」
私は心よりほっとして、彼を強く抱きしめた。
自分が恐怖から逃げる為に、ずっと私に寄り添ってくれた彼を利用してしまった。私は本当に聖女とは程遠い存在だ。
ラリーゼル草の効き目で、エウレパ国王は意識混濁状態に陥った。
「はぁ、アリアドネ⋯⋯お茶をくれないか、アリアドネ⋯⋯」
彼は蛇のように私の寝室を這いつくばりながら、私にお茶を欲しいと乞うている。水も与えられず、喉がカラカラといった状況なのだろうか。