最強で、最孤
春、戻らない副部長
桜が散る。新しい学年が始まった。
新しいクラス、新しい後輩、新しい友人。でも、変わらないものが1つある。剣道部だ。
3年生になった剣道部部長の加藤詩織。道場の掃除をしながら、ちらりと時計を見る。
「......今日も来ない、か」
新学期、部活が始まって一週間。黒瀬瑠那——副部長は、一度も顔を見せていなかった。
「ほんとに、勝手だよな」
誰ともなく嘆いた言葉に、部員たちは曖昧な笑いを浮かべた。
部長である加藤に文句を言うでもなく、かといって、瑠那の不在を問題にするでもない。
新しいクラス、新しい後輩、新しい友人。でも、変わらないものが1つある。剣道部だ。
3年生になった剣道部部長の加藤詩織。道場の掃除をしながら、ちらりと時計を見る。
「......今日も来ない、か」
新学期、部活が始まって一週間。黒瀬瑠那——副部長は、一度も顔を見せていなかった。
「ほんとに、勝手だよな」
誰ともなく嘆いた言葉に、部員たちは曖昧な笑いを浮かべた。
部長である加藤に文句を言うでもなく、かといって、瑠那の不在を問題にするでもない。