最強で、最孤
「じゃあ、私はなんのために頑張ったの?結局、才能のある人がかつ世界なんでしょ?努力しても、どうにもならないってこと......?」

「違う」

瑠那の声が、はっきりと響いた。

「努力は、無駄にならない。でも『今』勝たなきゃいけない試合には、『今』勝てる力を出す必要がある。だから私が出る。でも——」

少し間を開けて、瑠那は白石の目を真っ直ぐ見た。

「私が明日、勝てなかったら、そのときはあなただったほうが良かったって思ってちょうだい。でも......絶対に勝つよ。私は。」

白石はうつむき、拳を握りしめた。ギチギチと鳴るほどに。

沈黙の後、絞り出すように言う。

「......分かりました。私、応援席で、全力で応援します。だから、だからどうか、絶対に勝ってチームを勝利に導いてください」

瑠那は小さく頷いた。

「ありがとう」
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