最強で、最孤
決戦の朝
試合当日の朝。
瑠那は、まだ薄暗い時間に目を覚ました。

窓の外では、鳥のさえずりと、少し強めの風が吹いている。

その風邪が、どこか「戦いの合図」のようにも感じられた。

ベッドの中でしばらく呼吸を整え、目を閉じる。

(ついに今日か)

プレッシャーはあった。

でも、それ以上に、今日という日を待ちわびていた自分がいた。

それだからか、身体は緊張しているのに、心は不思議と静かだった。
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