最強で、最孤
剣道着を着て、防具袋と竹刀袋を肩にかける。

玄関に向かうと、もう母が車のキーを持って待っていた。

「荷物、全部持った?」

「うん」

母の言葉はいつも通りだけど、どこか優しさの奥に、緊張が混ざっていた。

「頑張ってね。見てるから」

その一言に、瑠那は顔を上げて答える。

「...ちゃんと、見てて」
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