最強で、最孤


車の中、会話はほとんどなかった。

でも、沈黙は重くなかった。

信号で停まったとき、母が口を開く。

「一生懸命やってきたんだから、それで十分よ。お母さんはそれだけでも嬉しい。大丈夫。結果はついてくるから。」

その言葉に、胸が熱くなる。

(“十分”じゃ、だめなんだ)

でも、そう思える自分が、今は少しだけ誇らしい。
< 25 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop