執拗に愛されて、愛して
「てか、良い男出来た?」

「居たらあんたの事見た時点で逃げてる。」

「何で?元彼ってそんな?」

「いや、あんたが危険だから。」

「危険って、まだ再会して数分だろ。」

「数分で漂ってんのよ、いろんな女関係のくっさい匂いが。」


 私の発言に笑って「否定はしねぇけど」なんて言っていた。

 そもそもこの男は大学で出会った時、誰にでも手を出すと有名だった。それまでこんなに綺麗な顔をした男に出会ったことがなかったから、私もコロッと騙されてしまったけど。交際している間にまともになったと思えば、別れてからまた手が早い男に戻ってしまったらしい。

 性格の悪さと格好良さだけパワーアップされて戻ってきてるから質が悪そう。

 とはいえ、お互い大人になって話す分には、なんとなく雰囲気も合っているし友人としては良さそうだった。


「でも何でそんな綺麗なのに夏帆ちゃん彼氏作んないの?よく声かけられるでしょ」


 玲さんの言葉に「綺麗なんてお上手」と笑って、それから質問の答えを話す。


「確かにお付き合いの話は何度か頂いたんだけど、仕事が楽しかったし、お断りしていたの。交際しちゃったら仕事を優先しちゃいそうだったし。」

「わけわかんねぇ。遊ぶ為に働くんじゃねぇの?」

「そういう人もいるだろうけど、私は仕事好きだったから。でも最近30歳に近付いてきて、結婚まだしないのかみたいな、親と会社からの圧じゃないけどすごいわね。私はまだ結婚したくないし…、最近それがストレス。」

「へー、まだそんな古臭い事言う人いるんだ。」

「昭和生まれの頭かたい奴だけだろ。」


 そうバッサリ言い切ってくれる2人もここに関しては、私と同じ気 持ちだと知って安心した。

 会社はともかくとして、両親が私の事を心配しているのはわかる。特に一人娘だし、今後何かあったときに1人でいてほしくないという親心で…。理解しているのだけど、どうしても今は前向きになれない。
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