執拗に愛されて、愛して
「てか今も見た感じ、働いて出来る女って感じ。すげぇいい女に見える。」

「いろんな女性と遊んでいる遊び人にそう言われるなんて光栄だわ」


 簡単に縒りを戻せそうだの、セフレ関係などに持ち込まれても困るので、先に笑顔で牽制しておいた。

 当然雅くんにその気があったかどうかなど知らないが、当時想いを寄せ合った男女がそう言う関係になりやすいのは、周りの友人から学んでいたので、この遊び人に捕まらない様にしておくに越したことはない。

 そんな私と雅くんの会話を聞いた玲さんが口元を隠して肩を震わせている。


「雅が口説き失敗してんのおもしろ。」

「黙れ。」


 雅くんが少し苛立った様子で煙草を取り出し、口に咥えるとそのまま火を点ける。煙草もまだやめていなかった様だ。それでいて酒好きも変わっていなさそうだから、相変わらず不健康まっしぐらな生活をしているのだなと察した。

 当時出会った時には吸っていたし、この男の事だから煙草もお酒も20歳からなんて法律守れるわけもないだろうと想像すると、もう10年は続けている事になる。

 この男の事だし、健康診断なんてしなさそう。定期的に行っていても笑えて来るけど、というのは流石に心の中に留めておいた。
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