執拗に愛されて、愛して
「明日あんた仕事は?」

「あるよ、だから仕事前に1回家帰る。そんでまた来るわ。」

「いや、明後日仕事なんだけど私。」

「勝手に寝とけば?勝手に入ってくるし。」


 ここはあんたの家じゃないと言ってやりたかったが、合鍵を渡した私が悪いと思えば文句は一言も言えなかった。いつもこの男のやり口が卑怯で、この男が悪いと思っているのに、自分で最終的にダメな所があって何も言えなくされている気がする。

 軽く溜息を吐いて、自分も悪いのだからと諦めることにした。抗ったってこの男のしつこさに体力を消耗するだけだ。


「いいけど、静かにしてね。朝早いんだから。」

「はいはい、ほら、寝るよ。」


 そう言いながらベッドに向かっていくが、ここで大事な事を思い出した。

 前まではこうして家で2人きりになってしまえば、そう言う事だと理解していたしそんなものだと思っていた。

 だけど、恋人になって合鍵を渡してしまえばこの男と、夜こんな風に2人きりになる回数は凄く増えるし、その度に夜の情事もあると言う事…!?なんて考えて寒気がした。

 今まで雅が私と会う理由なんて程よい遊び相手だからだと思っていたし、それをずっと持ち込まれては私の体力がもたない。
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