執拗に愛されて、愛して
『…誰かと居た?』

「ああ、うん。でも大丈夫だから詳細教えて。」


 雅との会話を聞かれ、部屋に誰かが居た事がバレてしまったが、今はそれどころじゃないので準備しながら、場所や時間について確認をする。

 そんな私を雅は何だかつまらなそうに見ていた。


『昼からだけどいけそう?』

「移動ぎりぎりになりそう。」

『そっか、じゃあ迎えに行くよ。住所送っといてくれる?ついたら連絡する。』

「了解。」

 
 そんなやり取りだけすると電話を切り、急いで着ていく服を選ぶ。あまり時間が無いから、家に雅が居ると分かっていても構っている時間は無かった。


「お前、仕事モード切り替え早すぎだろ。ある意味尊敬するわ。」

「仕方ないでしょ、状況が状況なのよ。」


 取引先にだらしない所は見せられないから、急ぎつつも丁寧に準備をする。私の見た目がだらしなくて、相手に取引を中止される様な事があっては困る。
 
 用意をしながら名刺やノートパソコン、スケジュール長にペンケースなど必要な物が鞄に入っているかも確認して、ばたばたと準備を進める。
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