執拗に愛されて、愛して
「すぐ帰ってくんの?」

「うーん、打ち合わせだけなら2時間もかからず帰って来ると思う。あんたも出かけるなら戸締まりだけきちんとしてね。」


 それだけ伝えて、アクセサリーをしまっているところから、控えめなピアスを取り出して耳に着けると、鞄を持って玄関の方に向かった。

 何故か後ろからラフな格好に着替え、財布とスマホを持った雅が後ろを着いてきていた。


「コンビ二行くから一緒に外出るわ。」

「あ、そう…。」


 このタイミングで一緒に出て佐久間くんに見られたら気まずい…なんて思ったが、やめてとも言えず仕方なく一緒に外に出た。

 会社に恋人の存在は明かしていないし、明かすつもりも無いので佐久間くんに見られて会社で話に上がったら正直困る。


「この後は家にいるの?」

「そのつもり、仕事はいつもどおりの時間だし。」

「…まさか今日も泊まるの?あんた。」

「何、迷惑?」

「あんたほとんど家に帰ってないでしょ。それなら別に一緒に住んでも変わら…。」


 自分でとんでもないことを言い出している事に気付いてハッとした。雅も私の発言に少し目を見開いて驚いていて、次第に表情がニヤニヤと緩んでいった。
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