執拗に愛されて、愛して
 雅から顔を逸らしていると、顔を覗き込まれ段々と恥ずかしくなってくる。

 確かに一緒に住んでも変わりはしないけど、私からこんな発言をしてしまうなんて、完全に気が緩んでいた。


「一緒に住んでいいの?」


 にやにやと笑いながら私の返事を待っている雅。こんな事言ったらクソ理不尽と言われるでしょうけど、ムカつくから3発くらい殴らせてほしい顔をしている。


「だめ、一旦忘れて。今こんな忙しい時に流れで話す事じゃなかった。また後で話し合いましょう。」


 そうこう話している内にちょうど佐久間くんの車が到着して、そちらに向かって手を振る。

 雅もそちらを見ると何か呟いていたが、聞き取れなかった。その言葉を聞き返している時間も無くて、この場は気付かないふりをする。


「それじゃ行ってくるから。また後でね。」


 停まった車の方に向かおうとすると、突然腕を引かれて雅の方に向けさせられる。そのまま腰と後頭部に手が回って、唇に深く口付けをされた。

 周りに通行人は居なくても佐久間くんが見てるのに!と、この男の意味の分からない行動に胸元を手でバシバシと叩く。

 何を考えているのか分からないが、信じられない。
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