執拗に愛されて、愛して
「そんな不安、感じる必要ないのに。でもどうせ俺がここで細かく説明しても信じねぇんだろ?」

「…あんたが胡散臭いのが悪い。」

「本当面倒な女。」


 そう言いながら笑って、私の頭を優しく撫でる。

 今の面倒な女の言い方は、きっとそんな私を嫌だと思っていない。


「もうこういうこと無いようにするから。いい加減機嫌直して。」

「当たり前だから、もうあんなの見たら次は本気で別れる。」

「今別れるって言わないんだ?」


 怒りでいっぱいになっていく私とは対照的に、雅は少し嬉しそうな表情をしていて、余計に悔しい。


「俺の事好きすぎるな、夏帆。」

「あんた今の状況分かって言ってる?」

「今別れないのも、不安になるのも、俺が好きだからしかないだろ。」


 自信満々にそう言って勝手に私の気持ちを理解して安心しきっている雅に少しくらい仕返しをしたくてシャツの胸元を思い切り掴んでそのまま引き寄せる。雅はその時点で少し驚いた表情をしていて、その表情を見た後唇を重ね合わせる。

 この強引なキスは、本当に仕返しのつもりだった。それなのに何のスイッチを入れてしまったのか、雅はそのまま私の顔を両手で固定させて唇を離せないようにしてキスを続ける。


「ん~~~~~~!」

 
 胸元をバシバシと手で叩いても止めてくれず、唇を重ねる程度の優しいキスでは終わらなかった。
< 149 / 331 >

この作品をシェア

pagetop