執拗に愛されて、愛して
「え、夏帆ちゃん転勤?」

「うん、2年だけどね。」


 転勤が決まって、引っ越し準備や引継ぎなどでバタバタしていて、中々来れていなかったけど、今日久し振りにバーに顔を出して玲くんに話していた。雅は玲くんに何も言っていなかったそうで、私の言葉に驚いている。

 雅もその場で私と玲くんの会話を煙草を蒸しながら聞いていた。

 あれから決めたのは、私の家は一度解約して雅はさらにバーの近くに引っ越すと話していた。私が帰ってきてからの事も考えて、一緒に内見したり凄く忙しかったのだけど、一旦落ち着いて穏やかな時間が帰ってきていた。


「この男を野放しにするのはすごく不安なんだけどね。玲くんよろしくね。」

「任せて、浮気したらすぐ連れてく。」

「本当俺を何だと思ってんの、お前ら。」

「下半身に脳みそがある男。」

「はったおすぞてめぇ。」


 雅にそんな冗談を言って笑うと、雅は軽く溜息を吐いていた。


「浮気するならバレないようにしてよね。」

「しねぇつってんだろが。」


 こんなことを言っているが、もう雅がそんなことをしないの分かっている。時には最低な事を考える男だけど、私の事を本気で裏切る様な真似はしない。この間話してから、何故か分からないけど雅への信頼が私の中で高まっていた。
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