執拗に愛されて、愛して
「まあ、あんたも顔しか取り柄が無くて、貰い手ないだろうから私が捕まえといてあげてもいいわよ。」


 頬杖をついてそう言うと雅は「生意気」と言って笑っている。

 私が雅しか無理な様に、雅にも私だけで居てもらわないと困る。近くに居なくても余所見なんてさせない様に捕まえておかないと。

 私と雅の様子を見た玲くんが少し笑って「何だかんだお似合いだよね、2人」と言っていた。玲くんの言葉に雅と2人で顔を見合わせて、私は首を傾げる。この男しか無理だとは思っても、お似合いだと言われるのは少し納得がいかない。


「付き合い長いからそう見えるのかしらね。こんなクズとお似合いって言われるのはちょっと…。」

「お前本当に俺と付き合ってんだよね?」


 そう言いながら呆れる雅に笑ってお酒を口の中に流し込む。

 こんな風に可愛くない発言ばかりしていても、本当は凄く寂しくて仕方ない。でもそんなのバレたくなくて、今は離れる事考えないようにして気を逸らす。

 今寂しいと自覚してしまうと、向こうに行く判断が鈍りそうだから、思い切り寂しがるのは私が向こうに行って1人になる時にする。それに、バレたらきっとこの男はまた私を甘やかして、ダメにしてくるから。
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