執拗に愛されて、愛して
 翌週末、向こうで住む場所を決めるために、新幹線で3時間程の場所に来ていた。何個か候補を決めていて、不動産会社と内見の日程を相談して本来私一人で来るつもりだった。

 その話を一緒に住んでいるからには当然事前に雅に報告したのだけど…。


『へぇ、俺も行こうかな。』

『何でよ。すぐ帰ってくるからこっち居なさいよ。』

『彼女が住む場所を見ておくのは彼氏として当然の事だろ?』

『当然では無いでしょ。きもいわね。』

『お前、本当向こうに行ってその減らず口も直してから帰って来いよな。』


 そんな会話をし、当日わざわざ休みを取ってきていた。

 ネットで目星をつけていた部屋の候補の1つを、2人でぐるりと見回す。日当たりも良いし、立地も悪くない。どうせ2年程しか住まない家だし、問題なく住めたらいいと言うレベルで家賃もそこそこの所を探していて、今見ている所は条件が一致していた。

 担当者さんは電話で部屋から出ていて、今は内見している部屋に雅と2人きりだ。雅は窓を開けて、景色を眺めている。


「へー、駅チカで結構綺麗じゃん。」

「歩いて会社に行けるし周りになんでもあるし結構好物件よね。ここに決めようかな。」

「ただ、オートロックじゃなくていいわけ?変な男に狙われるかもよ。」

「あんた以外に変な男見た事ないから大丈夫よ。」


 そう言うと割と強めに額を弾かれた。
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