執拗に愛されて、愛して
「そもそも彼氏さんの気持ちわかるなんて言ってしまいましたが、分かるなら朝比奈さんとこうして食事に行くの良くなかったですね。」

「やめてよ。堤くんは私に親切に接してくれただけなのに、それを悪いだなんて否定したくない。」

「そう言ってくださるのは嬉しいんですけどね。これは朝比奈さんを責めるわけじゃないのですが、もし僕が朝比奈さんの彼氏の立場であれば、遠距離中の彼女がその先で異性と2人で食事をしていると聞けばきっと不安になります。」

「でも私達会社の人間で、そんな間違いある?」

「そりゃ、朝比奈さん目線はそうでしょうけど。彼氏さんは僕に彼女が居る事も朝比奈さんとどういう感じで関係を築いているのかも知らないでしょうし、不安になって当然です。」


 堤くんの言葉で納得できた部分があった。確かに私目線ではすべてが見えているけど、雅は私と堤くんのこと何も知らないんだと。

 私だってもし、雅が女性と2人で食事に行ってただの友人だと言われても、何も思わないのは無理かもしれない。

 私の言葉も配慮も足りなさ過ぎたのだと、ここで初めて気が付いた。
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