執拗に愛されて、愛して
 荷物を置いて一緒に下に降りると、父と母が炬燵の中に足を入れて温めていた。それを見て私も炬燵の中に足を突っ込む。

 足元が温まると自然と身体全体が温まって眠たくなってくる。そのまま机に突っ伏すと隣に足を入れた雅が肘で突いて来た。寝るなと言われているのは分かるけれど、この心地良さには勝てそうにない。


「そう言えば、遠距離恋愛になってからどう?」

「どうって…。」

「遠距離になっても付き合いは長いでしょ?結婚の話とか将来の話もしてるの?」


 そんな話を振られて少し驚いた。雅も少し目を見開いて驚いていて、すぐにこちらを見る。お前が答えろよって言っているのが目線だけで伝わる。

 結婚の話なんて大学時代から一度も無い。それどころかこのペアリングを貰った時だってそんな話は一度もしなかった。雅はきっと私との結婚なんてもう考えていないのだと思う。

 机から身体を起こして、お母さんの方に顔を向けて今の段階の答えを言葉にする。


「…結婚なんてまだ早いでしょ。縒りを戻してそんなに時間も経ってないし、ましてや遠距離恋愛中にする話じゃないから、やめて。」

「遠距離恋愛が終わった後の事決めといたって…。」

「お母さん。もう雅との関係に首を突っ込んでくるのはやめて。」


 そう答えた私の言葉のせいで和やかな雰囲気は一気にぴりついた。

 お父さんも雅も何と言葉にしたらいいか分からない様で困らせてしまい、少し頭を冷やそうと立ち上がろうとすると、雅に手を掴まれた。
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