執拗に愛されて、愛して
 再度雅と見つめ合うと、そのまま両手で頬を包んできて優しく笑いかけてくる。


「…遠距離終わったら考える?」

「気が変わらなかったらね。」

「気が変わらなかったらって、今は前向きって事?」


 将来的に雅以外の方と将来を一緒になる事はありえない。だからここで特に拒む理由はない。何でも気になる事をはっきりさせないと気が済まない様で、そう問い掛けてくる雅に頷くと、嬉しそうに笑って私の身体を抱き寄せる。


「…指輪、本当にただの独占欲?何の意味も無かったの?」

「何で?」

「何でって、だって、右手の薬指にはめたから…。」


 右手でも左手でも薬指にはめられたら、その時から雅は考えていたかも、と期待する。私の言いたい事を理解出来たのか、私の右手をそっと手に取って、薬指の指輪を優しく撫でている。


「束縛?」

「ちょっと嘘でしょ。笑える。」


 束縛されるのもするのも嫌いな人間が指輪で束縛なんて可笑しくて仕方ない。考えたらそんなにロマンチックな男では無いし、考えるだけ無駄なんだった。


「これの答え合わせも遠距離終了したら。」

「やっぱりちゃんと理由あるんだ。」

「さあな。答え合わせって言ったけど案外答えとかないかも」

「意味の分かんない男ね。」


 だけど、こうやって駆け引きするのも嫌いじゃない。
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