執拗に愛されて、愛して
 実家に1日だけ滞在してそれから、本社がある地元へと戻ってきていた。その日は雅の家に真っ直ぐお邪魔してゆっくりした翌日の夜、久し振りにバーに顔を出す。

 後3日程滞在したら支社へ戻らなくては行けなくて、その前にきちんと玲くんにも挨拶に行かなければと思った。挨拶なんて言いながら久しぶりのお気に入りのバーで美味しいお酒を堪能しているだけだけど。


「あー、やっぱここのお酒が1番美味しい。」

「夏帆ちゃんまた綺麗になったね。」


 玲くんの甘い顔も言葉も久し振りで懐かしく、なんだかすごく癒された。雅と久しぶりに会った時の一言目なんて遅刻した事への文句だったのに、玲くんは笑顔で出迎えてくれた後に綺麗になったなんて、甘やかしてくれる。

 …かといえ、雅に会って早々綺麗になったなんて言われてもきっと受け入れられなかったと思うけれど。


「玲くんの言葉ならすんなり聞き入れられるの何でだろ。」

「夏帆綺麗になったね。」


 私の言葉の後に笑顔でそう言ってきたけれど何も響いてこず、溜息を零す。どうも胡散臭い。


「だめだ、あんたが言うとヤリ目的に聞こえる。」

「クソか。」


 そんなコントの様な会話をして、久しぶりの制服姿の雅を目に入れる。どんな服着ても似合うし、玲くんはきっちり綺麗に制服を着こなしているけど、雅は多少制服を楽に着崩していて、それも似合っているのが良い。
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