執拗に愛されて、愛して
「いや、ねぇ。何で?昨日会えないって言ったよね…?」

「関係なくね?会いたい時に勝手に会うし。交通機関使えないなら車で行くか~って、天気見てたら夜中落ち着く感じだったから。」


 会えると思っていなかったから顔が緩む。悪質な悪戯には、すごく怒りたかったけれど、もう会えたからどうだっていい。

 雅に思いきり抱き着くと、勢いで一歩後ろに下がるも受け止めてくれていた。それから会いたかったと気持ちを返すように強く抱きしめ返してくれる。

 こんな風にサプライズで会いに来てくれるなんて思っていなかったから感動でいつもの捻くれた言葉も何も出ない。


「会いたかった?」

「会いたかったにきまってる!」


 今日だけは何の偽りもない言葉を掛けて、少し身体を離すと雅の顔を両手で掴んで背伸びして、軽く口づけをする。


「何。今日素直過ぎない?可愛いけど。」

「…認めたくないけど、本当に寂しかった。だから、会いに来てくれて嬉しい。」


 そう素直に言葉にする私に雅は少し微笑んで、優しく口付けしてくれた。

 交通機関が使えないなら車っていう選択を迷わず取ってまで会いに来てくれたことも嬉しいし、会えるとも思っていなかったから、今も感動が止まらない。
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