執拗に愛されて、愛して
 GWから月日が経って7月手前。

 梅雨も終わり、ここ最近はからっとした天気が続いていたのだけど、気温は平年並みで暑さでオフィス内も冷房を強めに入れていた。オフィス内の涼しさだけでは足らず、冷たい飲み物をそれぞれデスクの上に置いて仕事をしている。

 あのゴールデンウィーク後会えてはいないけれど、連絡は取り合っていて、いつもの日常をただただ過ごしている。


「朝比奈、ちょっといいかな。」

「はい。」


 上司からそう呼び出され何事かと、今の作業を止め、上司の後について会議室の方に向かう。こんな風に呼び出されることが普段ないからすごく緊張する。


「今日本社から、7月14日を支社での勤務を最後に23日の月曜日から本社勤務だと通達があったよ。」

「え!?」

「1年程だったけれど、本当にお疲れ様。」


 そんな優しい言葉を掛けてもらった上に予想以上に早い戻りにかなり驚いた。早ければ1年だとは言われていたけれど。

 それにもう1つ、雅の誕生日が7月21日なのである。それまでに向こうに戻れると聞いて思わず口元がゆるんだ。


「ありがとうございます。」

「広報部で仲が深まっていたから寂しくなるんじゃないか。」

「ですね。本社だとこんな雰囲気ではないので…。」

「わかるよ。周りは意識高くやってるから、置いて行かれないようにするので必死だよな。」


 上司と笑いながらそんな話をして、オフィスに戻っていく。同じ部署内でお世話になった人達に挨拶をし、仕事の引継ぎと引っ越し作業でまたバタバタとすることになった。
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