執拗に愛されて、愛して
 2週間後、新幹線で久しぶりに地元に帰ってきていた、のだけど…。到着しても迎えを頼んだはずの雅の姿が見えず、電話を掛けていた。ちなみに電話しているが何度かけてもしばらく出ず、5回くらい掛けた内の2回目くらいに一度電話を切られている。

 5回目掛けてダメなら今日のお祝いはなしにして近場のホテルで1泊でもしてやろうとしていたのだけど、ようやく電話に出た。


「ねぇ、あんたどこ。」

『寝坊した。』

「彼女の帰って来る日くらい時間通りに来なさいよ!後、電話を切るな!出ろ!」


 そう怒られているうちのクズ彼氏は、電話の奥で悪びれる様子もなく、それどころか欠伸している声も聞こえてきた。


『どっか適当に店入っといてくんね?』

「本当感動的な再会になるはずの予定返して。」

『そんなの俺とお前の間に期待してもだろうが。』


 言いたいことは分かるが、開き直るなよ、このクソガキ。と言ってやりたいのを外なのでぐっとこらえて「一時間以内に来なきゃここ出るから」とだけ告げて電話を切った。

 雅の家からタクシーで急げば30分で来られる。いつもみたいにベッドでゴロゴロしてから来る時間の猶予なんてやるはずがない。
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