執拗に愛されて、愛して
「…何で雅が謝ってるのよ。何も悪くないでしょ。」

「悪くない、って思ってたけど、夏帆が俺と付き合う時から仕事が好きで今は仕事が大事だって言ってたから。」

「…言ったけど。」

「最近は欲張りになってた。もっと俺の事優先してくれてもよくね?って気持ちが出てきて、本気で腹立ってあの態度になってた。だけどさ、そもそも俺達が縒り戻す時に散々仕事優先なのは変えたくないって言われてたなと思ってさ。」


 雅はあの時の約束をまだ今も守ろうとしてくれていた。守りたくて守っているわけでもないと言うのは分かる。私も今回の話において、そう言った事を忘れていたくらいで、そんなつもり全くなかった。

 結婚だって時期を見直したかっただけで、数か月以内に決着をつけるつもりだった。だけど待ってとだけ言って、待たせている内に雅はもしかしたら私が結婚なんてしたくないと思っていると判断しただと思う。


「違う…、本当に今少し慣れるまで待ってほしかっただけで、雅に謝らせたかったとか、今も仕事の方が大事とか思ってないの。」


 帰ってきてから全く話し合えないまま忙しく日々を過ごしていたから、何も伝えられていなかった。情けなくて雅の顔を見られない。
< 229 / 331 >

この作品をシェア

pagetop