執拗に愛されて、愛して
 そんな会話をしている時に、バーのドアが開いた。入ってきたのは見送りを済ませた雅の姿だった。


「来てたの。」

「悪い?」

「毎度悪いとか言ってないだろ、勝手に来たら良いじゃん。」

 
 本当は来てくれて嬉しいくせに、ツンツンしちゃって。

 外では素っ気無い感じだけど、家では常に引っ付いて甘えてくる姿を見ているから、そんな物言いをされても全く腹が立たない。

 微笑ましく雅を見ていると、カウンター内に入った雅がこちらを見て顔を顰めている。


「…何。」

「別に?」


 本人は無自覚だし面白いから、黙っておくつもりだ。流石に可愛い所を玲くんの前で話されたら恥ずかしすぎて消えちゃいそうだし。と、どこまでも心の中で揶揄う事にする。


「何の話してたわけ?2人で楽しそうに。」


 相変わらず私が誰かと何かをしたり、話したりするのが気になるのか、質問を投げかけてくる。結婚してからも私の事は何もかも気になるし、飲み会とか行く時には決まって男性がいるかどうかなど確認をしてくる。

 単純に私の事を信用していないとかではないけれど、自分が把握できていないと気に入らないのだろう。
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