執拗に愛されて、愛して
「いや、よくこんな綺麗で可愛い女性が、雅の奥さんに来てくれたよねーって思って。雅には高嶺の花じゃない?」

「学生時代付き合ってたんだからそんなこともねぇだろ。」


 そう言いながら煙草に火を点けて蒸かしている。玲くんは私を過大評価しすぎている。高嶺の花なんて言われる様な女では無いし、可愛げも無ければきれいでもない。


「そう思えば、玲くん悪かったよね。雅の嫉妬心に火付けるためにわざと私に告白とかしてさ。もし私が玲くんに落ちてたらどうしてたのさ。」

「その時は責任取るよ。本当に良いなと思ってたし。」

「はは、胡散くさ。」


 玲くんの言葉にそう言って笑うと、玲くんも笑っている。会って少し話すだけで、玲くんも恋愛に興味が無い人なのは分かっていた。

 恋愛に興味があったとしてもきっと玲くんは私の様な女を好きになる男性ではない。

 これは長い付き合いを通して分かった事だけど、玲くんも仕事人間で自分で手にしたこのバーを一番大切に思っている。バーが一番大切だと思う内は人を好きにならないと決めている人。私はバーよりも優先したいと思っている女性はむしろどんな人なのか気になってしまうけれど。
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