執拗に愛されて、愛して
「俺も雅が結婚してくれて、本当に嬉しいよ。雅もお客さんに手出さなくなったし。」

「まだ根に持ってんの。夏帆と会ってからやめたじゃん。」

「俺はその前までの話をしてるんだよ。本当修羅場で壊されたものとか考えると雅に弁償してほしいくらいだけどね。クビにしてるよ、他なら。」


 玲くんの呆れた表情に雅が何か言い返そうとしては口を噤んでいた。


「何その楽しそうな話。」

「聞かなくていいから。」


 雅の気まずそうな表情に思わず口角が上がる。

 修羅場で物が壊されたって、グラスでも投げつけられたのか、それとも雅が殴られて倒れた先に何か物があって壊れたのか、何があったのか考えるだけでわくわくする。

 私の身の回りでそんなことに巻き込まれそうな人間はいないので、そう言う話を聞くなら雅からしかない。

 自分の色恋を使って色々な客の足を止めていた様な男だし、外で遊んだ女性をそのまま捕まえて客にしていた様なクズエピソードも知っているので殴られて当然だとは思っているけれど。
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