執拗に愛されて、愛して
「今更干渉しないとか無理だからさっさと白状しろよ。いい加減こんだけ付き合いも長くなったら俺が放っとく訳無いのもいい加減学習しろ。」

「…どうせ直してくれないくせに。」

「何を直してほしーの?」


 この男、絶対今楽しんでる。口元のにやけは既に隠す気が無いのか、ムカつく顔面が目の前に広がっている。

 一発くらい殴れないかな。こっちは綺麗な女性に話し掛けられてる雅を見て全く余裕ないのに。と考えるが、手を出したら悪いのは私だ。


「…ムカつく。もうバー行きたくない。」

「俺は嫉妬してる夏帆を見てんの楽しいから来てほしい。」

「クズ、嫌い。」

「嫉妬なんか嫌いな男にしないだろ。」


 無駄に正論を投げ込まれるのもムカつく。

 何であんたに私が言い任されなきゃいけないんだ。しかもあんたが原因でこうなってるのに。


「俺がモテすぎんのが問題か。」

「またそれも否定できないのがムカつく。」


 雅の緩い会話で自然といつもの感じの会話に戻っていた。悔しいけど、こういう所が何だか憎めなくて何だかんだ私がこの男をいつも許せてしまう所だ。


「個人的には少し安心するけどな。俺ばっかりっていつも思ってるから。」

「俺ばっかり…って。」

「夏帆が嫉妬する事なんか無いから。もうずっとないんだって思ってた。」


 確かに今まで嫉妬した記憶はない。雅が女性に声掛けられることも日常茶飯事だったし、慣れたものだと思っていた。

 言っても仕方ない、をずっと繰り返してきたのに、今になってこんなにもやもやしてしまうのは、きっと日に日に好きも増していて許せなくなっている。
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