執拗に愛されて、愛して
「雅も見たかったんだよね。夏帆ちゃんの綺麗な姿をたくさん。」


 玲くんの揶揄う様な言葉に軽く溜息を吐いて、スマホを閉じて私の隣に座る。


「よくそんなクサイセリフ言えるよな。玲の事尊敬するよ本当。ホストなった方がいいんじゃない?」

「夏帆ちゃんと再会する前色恋でバーの客引き止めてた君に言われたくないけどね。」

「えっ!?」


 雅の事をよく知らない紗希ちゃんがかなり驚いていて、私はその隣でコーヒーを口の中で火傷しない様にそっと流し込む。そもそも再会した時が、知らない女とのキスシーンとかそんな酷い話ない。

 ちなみに雅の過去のこの手の話に嫉妬しないのは雅も玲くんも分かっていて、むしろ私は雅の馬鹿みたいな倫理観の終わっている話を面白いと思っているのだけど、紗希ちゃんは何も知らないから口元に手を当てながらあわあわと、唇を震わせている。

 そんな紗希ちゃんを見て雅と玲くんの悪戯心が湧いたのか、雅が私の肩に手を回してくる。


「何、夏帆ちゃん不機嫌?」

「そりゃあねぇ?旦那の色恋話なんか聞きたくないよね。夏帆ちゃん。」


 話し掛けてくる雅と玲くんに少し呆れると、紗希ちゃんは余計に怒りを煽るんじゃと顔を真っ青にしてる。

 虐めたくなる気持ちも少しはわかる。2人からしたら妹の様な存在なんだろうし、反応も表情も凄く可愛いから


「そうね、どうでもいい、かな?」


 本当にどうでも良かったのだけど、良い感じに怒って強がっている女感が出て2人の悪戯をアシストしてしまった。そんなつもりじゃないのに。
< 274 / 331 >

この作品をシェア

pagetop