執拗に愛されて、愛して
「か、夏帆さ~ん…。わ、私どうすれば…!」

「大丈夫。本気で可愛げないやつだからこれ。」


 そう言いながら雅は手を離してフォトスタジオで撮ったアルバムを手に取って見ている。

 玲くんはどうでもいいってぶった切った私に少し笑って私はその状況の中、コーヒーが入ったマグカップを両手で持ちながらいい天気…なんて窓の外を眺めていた。

 紗希ちゃんは余計にえ?と困惑が起きているが誰もフォローしない。ここは紗希ちゃん以外の全員の性格と意地が悪い。


「紗希ちゃんは可愛いわね。本当。」

「大丈夫、夏帆ちゃんも可愛いよ。」

「夏帆も可愛くなってみれば?玲も旦那とお前を好きって言ってくれてる女の子の前で言うなよ、それ。」

「私の可愛いのイメージは”もう!過去の女の子の話なんてしないで!”だけど」


 該当部分だけ声を作って頬を膨らませて言うと、雅は無表情でこちらを見て溜息を吐いていた。


「アラサーのそれはきついだろ。」

「殺す。」


 この二人の前では言わないけど、たまに可愛いって溺愛してくる瞬間があるの、分かってるんだからね。と心の中で思いはした。本当に殺意が湧いていたかどうかまでは教えないけど。
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