執拗に愛されて、愛して
「夏帆ちゃん、ちゃんと寝れてる?何か入れようか?雅は?」

「俺はいいや。長居する気ねぇし。」

「私はカシスオレンジが良いな。ノンアルでお願い。」

「わかったよ。」


 そう言いながらアルコールの入っていないカシスの原液を取り出してオレンジと割って出してくれる。

 いつもの席に座ると、咲人は変わらずどこかを見ては雅の方に手を伸ばしている。その手に軽く指を差しだすと嬉しそうに握っていた。この状況可愛すぎる。


「どう?初めての育児。」

「大変だけど、可愛くて仕方ない…。こんな天使がここに居ていいの!?ってなる…。」

「親バカなんだよ。」

「何よ、あんたこそそう思うでしょ。」

「さあ。」


 そう誤魔化しているけど可愛くて仕方ない癖に。

 今だって私の腕の中から咲人を奪うと、ずっとちょっかいを掛けている。本当素直じゃない男。


「雅さんがお父さんか。何で、そんなイケメンなんですかね?俺の父さんデブで、格好良くもないんすけど、咲人くん羨ましい。」

「お前の親父も思ってるよ。俺の息子ちゃらんぽらんなんだけどって。」

「それはそうっすね。」


 あ、認めるんだ。
 こういう所颯くんの憎めない所な気がする 

 雅がふと表情を和らげて「お前の素直な所は可愛い気がするけどね」なんて言うから目の前がチカチカした。好き、が渋滞してる。


「み、雅さん…!」

「きもいからその顔でこっち見てくんな。困る。」


 そう言って颯くんを底まで落としている。こういうところで颯くんは懐いているんだろうな。


「もう少し優しくしてあげなさいよ。」

「良いの、颯はこれで。」

「雅も颯くんを可愛がりたくて仕方ないんだよね。」

「余計な事言うなよ、玲。」


 このバー尊いが渋滞してて苦しいのですが…!
 イケメンしか居ない、会話が可愛い。本当とんでもないバーだなと改めて思う。
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