執拗に愛されて、愛して
「そこまで鈍感だったら何も気付けなくて大変だな。」

「何でだろう、勘の良い方だって自分では思ってたんだけどなあ。」

「お前は自分の事を弾きすぎなんだよ。自分の誕生日忘れたり。」


 そう言われて試しにロックが抜けたタイミングで自分の誕生日を入れてみた。画面がパッと開くと、大学時代見たあのツーショットのホーム画面が出てきて驚いた。


「え、これ…。」


 これのせいで友達にバレたホーム画面のままの写真。

 少し幼い私達があの頃のまま残っている。スマホも何度も機種変していたのに10年近くずっと変えなかったって事?

 雅を見ると何食わぬ顔をしているのに、再度5年間の片思いですら本当だったって肯定された様な気がして思わずにやける。

 お互いにスマホを見る様な事をしなかったからお互いに全然知らなかった。ロック画面は何でもない画像だったり、今は咲人の写真がロック画面になっているのに、変えないで大切にしてくれている所もあるのだと思うと嬉しかった。


「何嬉しそうな顔してんの。めんどいから変えなかっただけな?」

「嘘吐き。ロック画面は律義に変えてるのに?というか、別れてた間もずっと私の事考えてたの?」


 揶揄う様に言えば「スマホ取り上げんぞ。」と言われて慌ててスマホのギャラリー内を見る。

 写真は咲人の写真と、時々私の写真なんかもあって、友人との写真も、かなりの枚数があった。社交的だった雅は本当に沢山の人との写真を残している。


「私の全く知らない写真もある。」

「そりゃそうだろ。全部知ってたらこえーし。」


 SNSとかは全部チェックしてたけど…、なんて言葉は敢えて閉じた。
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